稽古雑感【壱】’23年10月28日
©️ 坂戸合気会 2023
米ノ井正師範曰く、「今日の稽古は雰囲気が違うね。皆なレベルアップして充実した稽古になっているね。」
遡ること1週間前、参級と壱級、参段の3人の昇級・昇段試験が行われた。
坂戸合気会は定期的な昇級・昇段審査は行っていない。師範の見切りによって昇級・昇段の声がけが行われて審査が実施される。したがって、昇級・昇段審査の回数は少なく、不定期で数年に一度という場合もある。
今回の昇級・昇段審査対象者は入会後1年半、参級取得後5年、弐段取得後10年を経た3人であった。それぞれ合気会の審査基準をクリアして「審査合格相当」であったが、驚いたのはその1週間後の稽古風景であった。上記米ノ井師範の言葉のように、3人ともそれぞれの級・段を超えて、自信に満ちた体捌きをしていたのである。積極性も勢いも出ている。昇級・昇段審査を機に、それまで蓄積してきたものが、輪郭をとって一気に溢れ出したような印象だ。
教育者ではないが、稽古を指導している立場からすれば、こんなに嬉しいことはない。そして、昇級・昇段審査とは、単に審査基準の技をこなせるかといった単純なことを審査するものではなく、稽古者のレベルを押上げ、稽古者をそれぞれの高みへと導くための一里塚だと言うことをつくづくと思い知る。